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ビューティフル・サンデイ
 舞台なんですが、DVDで見ました。『蛮幽鬼』を見たときにもらったe!oshibaiのパンフレットに載っていたのですが、調べてみると堺雅人が超カワイイらしい…というのもありますが(あるのか)、評判が良かったので思わずポチリと購入。2000年2月の舞台ですから、ほぼ10年前だな…

さて、男2人が住んでいる部屋に、いきなり、前の住人だという女性が紛れ込む、というお話です。ゲイのカップル風の2人も、紛れ込んだ女性も、それぞれに悩みと秘密を抱えていて…という内容です。

えー、泣きました。やりとりがおかしくてしょうがないところもあるんですが、いろんな言葉が刺さって、沁みました。

のっけから戸川秋彦(小須田康人)のベッドに潜り込んでいた三枝ちひろ(長野里美)という場面からはじまります。ものすごくびっくりして怒る秋彦と、幽霊のふりをしてまでとぼけるちひろのやり取りはとんでもなくおかしいのです。そこに、秋彦の母親からの電話も加わり、母親と秋彦の、そのイマイチちぐはぐなやりとりも笑いを誘います。

そこへ帰ってきた小笠原浩樹(堺雅人)は、ちひろを拒否することもなく、むしろ意気投合。同棲3年目の記念日のパーティだからとちひろを誘って秋彦をあきれさせます。

しかし、それぞれが実は悩みも、秘密も抱えていました。

みんなせつないんです。かつての恋人のたったひとことが忘れられないちひろも、相手のことを想うあまり、臆病になる秋彦も浩樹も。優しいのに、不器用で。

終盤の秋彦と浩樹の喧嘩は、お互いの想いがぶわっと表に出てきて、本当に胸がいっぱいになりました。保護者みたいだった秋彦の表情が変わったところも、天真爛漫で子供みたいだた浩樹の叫びも。あんなふうに誰かを深く深く想えることがうらやましい。

それに対するちひろの言葉は、私にとっては痛いものでした。ちひろの気持ちはよくわかるんですよね。こんぺいとうを投げつけたくなるのも。そのあとものすごく悔やむのも。

でもそんなちひろを救ったのは秋彦と浩樹で、でもこのふたりもちひろに救われているんだろうなと思いました。本当にあったかくて、泣きたくなります。

3人しか登場せず、セットもマンションの一部屋だけで繰り広げられる物語なので、登場人物が魅力的じゃないと見られないと思うのですが、ちひろも秋彦も浩樹も、そして演じた三人の俳優たちにも惹き付けられました。すっごくステキな人たちです。

いやあ、堺雅人はものすごくキュートでしたよ。でも長野里美がおきゃんな感じですっごく可愛い。それに、小須田康人がとにかく良かったです。雰囲気とか。

何回でも見たくなる舞台です。DVDは脚本の中谷まゆみと、演出の板垣恭一のオーディオコメンタリーが収録されているので、今度はそれを見ようっと。

2012/4/2追記
オーディオコメンタリーをようやく見ました。いろいろ裏話が面白かったんですが、「実は秋彦が天使だ」というのにとっても頷けました。
| theater | 23:11 | comments(0) | trackbacks(0)
Live,Love,Drive. 死神の精度
 伊坂幸太郎の『死神の精度』から、「恋愛で死神」「旅路を死神」「死神対老女」の3本の舞台化したもの。脚本は弾丸MAMMAERの竹重洋平、演出はカムカムミキーナの松村武。原作は短編6本ですが、このチョイスは良かったのではと思います。私としては「死神対老女」をやるなら「恋愛で死神」もやらないと話にならない!と思っているので(作品のチョイスが気に入らなくて、映画版は見に行きませんでした)。

最初の、死神の紹介が面白かったです。「情報部」が提示した「対象者」を7日間観察し、対象者が死んでいいかどうか判断する。死神たちがそれぞれ、言葉がつながるように説明をしていました。

死神の千葉は羽場裕一。これがものすごくはまってまして、クールだけど、人間たちとのずれたやり取りも良かったのですが、傘をさしてたたずむ姿がとても良かったのです。まさしく千葉!と感じました。さすがにうまいですしね。

「恋愛で死神」は、荻原をキャラメルボックスの岡田達也が、古川朝美を芳本美代子が演じています。荻原は原作よりも3枚目のイメージです。ただ、それが荻原の純情をより体現している感じはします。この話はすごく大好きで、やりきれなさと切なさを感じつつも、萩原の「最善じゃないけど、最悪じゃない」という台詞にすこし救われる気もします。でもやっぱり、何も知らない朝美と、千葉の最後のやりとりはやりきれません…

「旅路を死神」は、森岡をキャラメルボックスの畑中智行が演じています。実は今回の舞台では、これが一番印象に残りました(原作では「恋愛で死神」が一番好きなんですが)。恐れと不安を抱えながら生きてきた森岡の悲痛な叫びが胸に迫ります。人間がどうなろうが興味のない千葉なのに、森岡の過去を解き明かしていくことで(千葉にとっては人間そのものへの単なる興味だけだとしても)、図らずも森岡の心を救っているのが不思議です。

「死神対老女」は老女を芳本美代子が演じています(なんでか、は見たらわかります)。これまでの2話では人間を振り回していた(やや語弊があるか…)千葉が、ここでは老女に振り回されています。これまでは変に落ち着いて、浮世離れしていた千葉が、なんだか人間臭く見えます。
気っぷのいい老女は、本当に魅力的です。ただ、彼女が死ぬことを受け入れていることによる落ち着きだったりもするのかなあと思ったりもします。

死神が対象者を「可」にするのか「見送り」にする根拠はわかりません。ほとんどが「可」、つまり対象者は死んでいくので、もうすこし長生きさせる「見送り」はほとんどないのだと思います。その人が善人なのか悪人なのか、そんなことはなんの意味もないのかもしれません。死神自身も、対象者が死ぬことに何の感慨もないのだし。

でも、ラストシーンがすごくさわやか、というかすこんと抜けるようなあかるさで、なんとなく外にいるような気持ちになりました。

原作が好きな作品だと、どうしても映画化、ドラマ化などは満足しないことが多いのですが、この舞台は本当によかったなあと思います。もう1回見てもいいなぁと思ったんですが、見に行く時間が取れないので難しそうだ…


| theater | 23:25 | comments(0) | trackbacks(0)