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評価:
伊坂 幸太郎
荒蝦夷
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(2012-02)
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更新がかなりあいてしまいました…本も読んだし映画も見たし、レイソルの試合も見に行ったんだけど、ブログを書こうという気力がなかなかわきませんでした…
伊坂幸太郎のエッセイ。書き下ろしの短編も入っています。
もともと『仙台学』という雑誌に連載されていたものだそうですが、とりあえずタイトルが「〜が多すぎる」で統一されています。
伊坂幸太郎のエッセイはもう一冊出ているんですが、実はまだ読んでいません。なのでこの本が初なのです。
いや、すごく共感しました。
なんかですね、考え方が似ているというか、「わかるわかる」と思えるところが多かったというか。
「心配ごとが多すぎる」とか、わかるなー、その気持ち、という感じでした、私もニュースや新聞で経済崩壊や環境破壊やグダグダの政治をみるたびにお先真っ暗やとどよーんとしたり、半年後にどうなってるのかわからないと不安になったりとかしょっちゅうなので。でも1年前と変わらなかったりするのですが、でもやっぱりいろいろ心配しています。
「見知らぬ知人が多すぎる」は、意識しすぎて恥ずかしい、とあったのですが、実際に「伊坂さんですよね」と話しかけられることがあるので、それも当然かなあと思うのです。そもそも、道ばたで知らない人に話しかけられると結構どぎまぎします。なに、何の用?みたいな。たいてい道を聞かれるんですが。
震災のことも少し書かれています。震災が起こった後の動き方は、皆さんそれぞれ違うのですが、何を考えたのか、何を思ったのか、淡々と書かれています。自分は非力だと思い、でも他の人からの言葉に勇気づけられ。
私も自分がこのままでいいのか、疑問に思ったまま結論が出ていないんですが,伊坂さんの「僕は、楽しい話を書きたい」という言葉が残りました。
そして、短編の「ブックモービル」はステキなお話です。震災後に移動図書館で被災地を回る2人の話です。それぞれ過去があって、いま被災地にいるのも単純にボランティアというだけではない感じ。語り手の原田はなにが関わっているかが説明されるのですが、相棒の渡邊については深くは語られません。
原田についても解決したわけではないんですが、それならそれで、また探すか、という感じです。
がっつくわけでもなく、でも投げ出すわけでもなく。そのスタンスが、なんだかとてもいいのです。